たった1行で売上が変わる!キャッチコピーの極意を教えます。(後編)
前編では、人が持つ欲求からウリを見つける。そして心を掴み、行動を促す「強い言葉」のテクニックをいくつかご紹介しました。興味がある方は前編もご覧ください。
次にキャッチコピーは人間の心に訴えかけ、記憶に残りやすい言葉の選び方も非常に重要です。(続きなので2.から始まります。)
2. 感情と記憶に深く刻む「強い言葉」
(1) 具体的な数字を使う
抽象的な表現ではなく、具体的な数字を用いることで、信頼性と説得力が高まります。
世界で、1秒に1台売れている。
トヨタ自動車
発売から36年、進化し続ける辛口。
アサヒスーパードライ
(2) オノマトペと感情
オノマトペ(擬音語・擬態語)は、言葉に情緒や躍動感を生み出します。たとえば「カリッと焼けたトースト」や「しっとり肌」と聞くと、音や質感、匂いまで自然に想像できますよね。
感情を表現する言葉を意図的に用いることで、生活者はより強い共感と感情移入を脳の「感覚野」が直接刺激され覚えます。感情を刺激する言葉に「感動」「驚き」「悔しさ」「切ない」「喜び」などもありますよ。
雪見だいふく。ふわもち、とろ〜り。
ロッテ
キュッと、すっきり。
ライオン
(3) 方言と流行語
方言を用いることで、地域に根差した親しみやすさや、休日のリラックス感を表現できます。 流行語・新語は、新鮮さや時代の流れを反映し、注目を集めます。ただし、流行語には鮮度があるため、期間的な使用に留めるべきです。
よかとこ、鹿児島。
鹿児島県観光連盟
お疲れ生です。
サントリー
(4) ギャップと意外性
相反する言葉や、通常は結びつかない言葉を組み合わせる「ギャップのある言葉」は、強いインパクトを生み出します。それは脳が「予測を裏切られる瞬間」に強く反応するからです。たとえば「静かに燃える情熱」や「甘いのに苦い恋」という表現は、矛盾しているようで、どこか惹かれますよね。これは脳が「なぜ?」と感じ、意味を理解しようとする過程で、印象が深く刻まれるためです。
これで、いい。
無印良品
これが、いい。ではなく これで、いい。完璧主義ではなくゆるく肯定的でいまの社会を反映しているのが良いですよね。
Think different.
Apple
写真は、未来を写す。
キャノン
写真は過去を残すものなのに未来を創るもの と捉えているのが粋ですよね。
(5) 言葉を「人間化」する
商品やサービスにキャラクター性や人間的な要素を付加する「擬人化」のテ
クニックは、親しみやすさを生み出し、特に若い世代に響きます。
お〜い、お茶
伊藤園
お父さん犬
ソフトバンク
人の心を動かすのは、情報ではなく“感情”です。だからこそ、記憶に残る言葉の選び方が重要になります。具体的な数字、オノマトペ、ギャップ、擬人化など「強い言葉」は人の感情を揺さぶり、記憶の中に鮮明な印象を残します。
しかし、どれほど強い言葉を使っても、それが「誰に向けた言葉」なのかが曖昧だと、心には届きません。
3. 言葉の粒度(ターゲットの絞り込み)
親しみやすさや人間味を出すには、誰に語りかけるかを明確にする「ターゲットの絞り込み」が極めて重要です。
コピーは、誰(ターゲット)に、何(ウリ)を、どう言うか(言葉の力)の3要素から構成されます。
ターゲットが広すぎると、メッセージが拡散し、誰にも刺さりません。ターゲットを絞り込む際は、デモグラフィック情報(年齢、性別、職業など)だけでなく、その人の「心の状態」や「行動」に合わせた粒度で考えることが有効です。
例:漠然とした「起業セミナー」 から 「会社員を続けながら週末起業したい人のための実践講座」へと粒度を上げて絞り込む。
ストーリーと共感が購買意欲を高める
人間の心を動かすには、論理的な説明だけでなく、感情に訴える「ストーリー」や「共感」も必要です。
1. ドラマティックなコピーの力
キャッチコピーに“物語”を感じさせることで、読者の想像力を刺激し、心を動かす方法を「ドラマで書く」といいます。
人は、ただモノを買っているわけではありません。そこにあるストーリー
“自分の人生の一部になるような満足や喜び”を買っているのです。
たとえば、あるミツバチ産品のCMでは、森鴎外の娘を題材にしたエピソードを取り入れました。そこでは商品の機能や価格よりも、「生き方」や「想い」が描かれ、結果的に長く愛されるブランドイメージを築き上げました。
2. 人の心理を代弁する「ひとり言」
人は、自分の気持ちを代わりに言葉にしてくれる存在に共感します。
広告の中でお客様の「本音」や「気づき」を“ひとり言”のように表現すると、ぐっと心の距離が近づきます。
たとえば、
なんでもうこんな時間?って聞かれるんです
譚彦彬の調理道具
料理が楽しくて、時間を忘れるほど夢中になれる情景が浮かびますよね。
そうか、私も家族ができたのか
三井不動産レジデンシャル
家を買うという行為が“家族になる実感”と重なり、温かい余韻を感じますよね。
明日も、この香りに会えるのが楽しみ。
レノア
3. メリットとエピソードの組み合わせ
人の心に響く広告コピーには、必ずターゲットのリアルな背景が反映されています。その背景を整理するための基本要素が、次の3つです。
- D(Demographics):年齢、性別、職業などの属性情報
- M(Motivation):購買や行動の動機(欲望・ニーズ)
- P(Psychographics):価値観やライフスタイルなどの心理的要素
この「DMP」がうまく盛り込まれたコピーは、読み手に「これは自分のことだ」と感じさせます。つまり、ターゲットの心の風景に寄り添うエピソードと、明確なメリットを結びつけるのです。
たとえば、サントリーの「天然水」のCM。都会で暮らす人が「水道水に少し不安を感じている」という心理を背景に、「清らかな自然の水で安心を届ける」というメッセージを重ねています。
結果として、単なる“飲料”ではなく、“安心をくれる存在”というブランド価値を築きました。
4. NGコピーの回避:抽象的な表現を避ける
人の心を動かすコピーには“温度”があります。けれど、その温度を奪ってしまうのが、抽象的でぼんやりした言葉です。せっかく良い商品でも、伝え方があいまいだと記憶に残りません。
避けるべき代表的なパターンは次の2つ。
① 強い言葉不在型
抽象的で印象が薄く、誰にも刺さらないコピー。
例:「多くの人にまた使いたいと言ってもらえる」
→何が、どう良いのかが伝わらず、心に引っかかりません。
② 抽象型
リアリティのない専門用語や説明調のコピー。
例:「最新開発の自立技術で実現した高性能機能」
→具体的なイメージが湧かず、購買意欲につながりません。
キャッチコピーは、「何が」「どんなふうに」良いのかを一瞬で伝えることが命。つまり、「お客様の悩みをどう解決するのか」を、感情と結びつけて表現することです。
たとえば、「雨の日も、革靴で走れる。」
この一文には、機能(防水性)と感情(安心・解放感)が同居しています。
抽象よりも具体。説明よりも体験。
それが、人の心に届くコピーを作る第一歩です。
自分たちで広告をつくる人たちへ
広告をつくるというのは、単に「言葉を並べる作業」ではありません。
それは「相手の気持ちを想像し、行動を変える体験をデザインすること」です。
もし今あなたが、「いいコピーが浮かばない」と悩んでいるなら、それは、言葉のセンスの問題ではなく、「相手の心や心情の変化をどれだけ想像できているか」という姿勢の問題です。
そして商品の魅力を伝えるのではなく、「その人の一日をどう変えるか」を描くこと。たとえば「保湿力の高いハンドクリーム」ではなく、「冬の乾燥する満員電車でも、手がつるんと気持ちいい」という具体的な生活シーンを思い浮かべると「カサカサの朝に、つるんの魔法。」
これが“伝わるコピー”の第一歩です。
もうひとつ大切なのは、自分の感情を使うこと。
「自分ならどう感じるだろう」「本当にこの言葉に心が動くか?」と、書き手自身の感覚を確かめながら書いてみてください。正解の言葉を探すより、“自分の心が動く瞬間”を追うほうが、はるかに読者の心にも届きます。
なぜ伝わらなかったのか?どこで心が離れたのか?
そこを考えるたびに、あなたの“人を動かす感覚”は研ぎ澄まされていきます。街のポスター、SNSの投稿、友人との会話の中にも、次のコピーのヒントが隠れています。つまり、広告をつくるとは「言葉で人を動かす技術」ではなく、「人間を観察する習慣」だと僕は思います。
もし今、あなたがキャッチコピーを作成する立場にあり、何を訴求すべきか迷っているなら、まずは「お客様」「課題」「メリット」の3点を盛り込んだ文章を書いてみることをお勧めします。
- お客様: 「〜でお困りの人向け」
- 課題: 「〜を解決するために」
- メリット: 「〜をすぐに手に入れよう」
これが、コピーライティングの第一歩であり、読者との絆を深めるための、最もシンプルな出発点となります。
この知識があなたのビジネスを支え、多くの人々の心を動かし、ひいては社会に貢献する一助となれば幸いです。心に響く言葉で、ぜひ、素晴らしい成果を上げてください!!
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
【お知らせ】「プレビューフィル」機能を追加
Nize meのテンプレートに画像を挿入し、完成イメージをより直感的に確認できる「プレビューフィル」機能を追加しました。
気になるテンプレートにぜひ画像を当てはめてみて、ぴったりのデザインを見つけてください。※プレビューは画像として書き出し可能です。お申し込みフォームにサンプルとして任意で添付いただけます。